病気した

それも死に至るような大病を、何の切欠もなく。



ゴールデンウィーク明けなんだかだるくてその内発熱して、
段々熱が上がっていった。
平熱35℃なのに39.9℃まで上がった。

個人医院も救急で運ばれた総合病院も診断が付かなくて帰されて、家で熱にうなされて、言葉が出なくなるなど重症化していった。

日曜日を挟んで、再度近くの個人医院に行った。総合内科専門医ですぐに別の総合病院へ紹介してくれてタクシーで向かった。

そこでもすぐには診断が付かなくて、高熱なのに冷やすなどの処置がなく、熱せん妄が酷くなり、妄想幻覚で暴れたりしたらしい。そこから記憶がなくなった。

正しくはずっと悪夢を見ていた。何度も死んでは生き返る夢、死んだあとの世界で無限ループに陥る夢、中東の人々の怒りを全身で浴びせられる夢など言葉に出来ないほど様々な悪夢を見続けていた。
でも一貫して死にたくない生きたいと思っていた。

あとで聞いた話では、この病院でその日のうちに診断がついて初期治療が行われたらしい。次の日にはさらに最新の設備があり医師が揃っている病院へ緊急搬送されたらしい。

転院して10日間ずっと集中治療を受けて一命を取り止めた。
集中治療室を出て意識がはっきりした。
今は集中治療室を出てから11日後。
緊急入院してから23日経っている。友達の結婚式には行けなかった。貴重な家族との時間も失った。
でも命は救われた。

今ではリハビリで歩けるようになった。
身の回りのことが自分で出来るようになった。
入院前の記憶ははっきりしていることが分かった。
少し前のとても苦しくて仕方なく忘れていた幸せな記憶が戻った。

この病気

救命率は50%と聞いた。
今はまだ心臓の機能は不完全で心臓の回りに水が溜まっているそうだ。でもここまで良好なのは稀だと言われている。

心不全のため心臓の機能はすぐには戻らず、これからも当分の間はケアしていかないといけない。


命を救ってくれた医師と看護師の方々。
ずっと傍にいてくれた両親と妻、兄弟に感謝して今は全力で療養している。


ところで、家のすぐ近くと、この病院の近くに同じ名前の神社があって、神様は存在するんだと思った。
そう言えば就職して始めて一人で生活した場所にも同じ名前の神社があって、毎朝その境内を通って駅まで歩いた。
なんて縁深いんだろう。

退院したらお礼のお参りにいきたい。

そして寂しい思いをさせている我が子と沢山遊んであげよう。
仕事のことは一旦忘れて命が有ることに感謝して生きよう。

自分の大切なもの、好きなもの、幸せだった時間を沢山思い出した。過去から切り離されて生きていた気がする。思い出してしばらく泣いていた。


これは自分の健忘録