書きたいから書く


悩んで迷ってどうしようもなくて、どこまでも不器用でヘタクソ、生きることに必死で、暖かくて、人の匂いがするバンド。
どこから切り取っても人間なバンド。痛々しい若者。心優しい若者。


試練ばかりが彼らに降りかかって、それでも必死に、音を奏で続けた。全力で言葉をぶつけた。原動力は何だろう?何が彼らを急き立てるのか?伝えたい気持ちは何処から来るのか?

心が震えた。言葉と音が胸の中で共鳴して僕はそれだけで何年も生きていける気がした。


僕はたまたまその音を耳にして、魂を震わせて、そのバンドを心から求めるようになった。

BUNGEE JUMP FESTIVALというバンドがいる。
知ってる人はそんな大層なモノじゃないって言うかもしれない。だけどここに確かに、心を奮わせ、共鳴している人間がいる。それも尋常じゃない。

特別なものはいつまで経っても、特別であり続ける。もしこの先、僕がバンジーを聴かなくなってしまったら、その時は感じる心を失ってしまったってことだ。あるいは僕がバンジーに代わるものを手に入れた時。あるいは迷わなくなった時、死んだ時。

初めてバンジーの曲が心に到達したとき、モノクロの世界が、色鮮やかになった。言葉の力と音楽の力、声の力、三人の力が合わさって僕の感受性を開花させた。
感じるフリをしていた僕を、打ち抜いた。頭を殴打されて目が醒めた。
世界に喜びが鏤められた。
悲しむことも喜ぶことも尊い経験。


目を瞑って蹲り、何もしたくないとぐずっていた僕を、未来の明かりで照らしてくれた。
変わり行くことは素晴しいことだ。
傷つき、痛みも癒えないまま、また立ち上がり歩みを進める。人生に休憩なんて無いよ。充電期間なんて必要ない。今の自分が全てなんだ、言い訳はいい。今の自分しか、僕には無い。これが本来の自分。


弱虫な僕はこれからもバンジーに依存しながら生きて行くのだろう。けれどいつか変わるときが来る。一人で立てる時がきっと来る。

脆い心は、鋼鉄の心に。
おっかなびっくりの心は、限りない探究心に。

できないって誰が決めた?
できないって誰が思うのだ?

いつか死にゆくのなら、それまでにしたいことを見つけなければいけない。そしてやり遂げたい。悔いの無い人生なんて望まない。安定、平穏な人生も望まない。
僕はずっとツキウゴカスモノと共にある。