初バンジー

初バンジーは不思議な雰囲気だった。
ノーフューチャーノーホープ。町田さんの声が少し遠かった。CDで聴くより彼の声はずっと透き通っていた。
静かに聴く感じが一番いいかなって思って、でも心の中ではずっと叫んでいた。聞かせる側と聴く側がひとつになっていた。
あんまり覚えていないんだよな。ずっとドキドキしていた。ブルーバードで鳥肌が立った。


「次で最後の曲です。七月七日。」




アンコールで不良少年マーリー。いきなり町田さんがロックに電気は要らない。ノーエレクトリシティーだって言い出して、マイクもアンプも使わずにマーリーを歌いだした。
身動きが出来なかった。口が塞がらなかった。みんな固まったまま、町田さんの声とかすかなギターの音だけが響いていた。非日常だった。



また行こう、何度でも行こう。
楽しいバンドは数あれど、上手いバンドは数あれど、格好いいバンドは数あれど、
ここまでどうしようもなく、心に響いてくるバンドはいない。
大好きだ。