矯正

メガネ君はとても臆病で、いつも一歩引いていた。
メガネ君はとても心優しくて、嫌う人はいなかった。


 彼は考えていた。友達の在り方について。
  人見知りの彼に、友人はいなかった。
 彼は一人でいた。一人が好きなのに寂しかった。
  人見知りの殻は、破れそうに無かった。



今日は何があるだろ。いつもと同じは嫌だよな。



メガネ君は何となくできる人で、それなりに友達がいた。
メガネ君は何となく上手な人で、それなりにこなしていた。


 彼は考えていた。人間の在り方について。
  マジメな彼は、上辺だけの付き合いを拒んだ。
 彼は考えていた。一人はとても寂し過ぎた。
  マジメな彼は、上辺だけの付き合いを望んだ。


それなりに楽しいよ。何となく寂しいよ。
とても虚しいよ。いつも平和だよ。
友達がたくさんいる。話をする。仲は良い方だよ。




胸の中で渦を巻いている。
この感情は、自分に向かう。
偽りの気持ち、不平不満。
自分に向かう。
自分に向かう。




メガネ君はいつも一人か二人で、友達を作らない。
メガネ君はいつも寝ぼけた穏やかなヤツで、嫌う人はいない。


そうありたい。できれば誰も嫌いたくは無いから。